風のシミュレーションは、コンピュータ上に建物や車体などの形状を再現し、周囲を流れる空気の動きを計算して可視化する手法です。流れの速さや向きが場所ごとにどう変化するかを、設計段階でも把握できます。
一般に「流体解析」と呼ばれ、数値流体力学の略である「CFD(Computational Fluid Dynamics)」として説明されることもあります。得られるアウトプットは、流速分布(どこが速いか)、流線(どの方向に流れるか)、圧力分布、渦の発生箇所などです。図として示せるため、設計案の比較や関係者への説明に使いやすい点が特徴です。
高層ビルの建設では、建物周辺で風が強まる「ビル風」が課題になります。歩行者の安全性や快適性に影響するため、計画段階で風環境を評価し、必要に応じて対策を検討する必要があります。
流体解析を使うと、建物の角で風が加速する位置や、建物の背後で風が回り込む様子などを可視化できます。これにより、外構計画や形状変更、風よけの配置など、複数の設計案を同じ条件で比較しやすくなります。加えて、解析結果を図として示せるため、社内外の説明資料としても活用しやすい点がメリットです。
自動車分野では、走行時に車体周りで空気がどのように流れるかを把握することが、空力性能の検討や設計改善につながります。風洞試験は有効ですが、試作や計測のコストがかかるため、設計段階での検証手段としてシミュレーションが検討されます。
流体解析により、車体周辺の流速分布や渦の発生位置などを可視化でき、形状変更による違いを比較しやすくなります。結果を図で示せるため、設計意図の共有や、関係部署への説明の材料としても使いやすい点が特徴です。
導入や外部依頼の前に、まず「何を評価したいか」という目的を整理します。例えば、ビル風の強まりを把握したいのか、車体の流れを比較したいのかで、条件設定や必要なアウトプットが変わります。
次に対象(建物、街区、車体など)と、評価指標(流速、風の強さの分布、特定地点の値など)を決めます。解析結果は「見た目」だけで判断せず、どの指標をどう比較するかまで決めておくと、設計案比較や説明用途に結び付けやすくなります。
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※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)