この記事では、カスタマイズ性や拡張性に優れた、オープン性の高いCAEソフトを4つ取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。
COMSOL Multiphysicsは有限要素法を基盤としたCAEソフトで、エンジニアリングから製造、サイエンス領域まで幅広い物理現象を
シミュレーションできる汎用解析ツールです。
さらに、「COMSOL Compiler」や「COMSOL Server」を利用することで、Multiphysics上で作成したアプリケーションを共有・配信できます。Compilerではライセンスやインストール不要の実行ファイルとして出力でき、Serverではスマートフォンやタブレットの
Webブラウザからでもアプリを利用可能です。
有限要素解析モデルやマルチボディ解析モデルの構築から、各種解析・可視化・システム管理までを単一環境で行える汎用シミュレーションソフトです。
解析内容に応じて適したエンジンを切り替えて実行でき、構造解析、線形解析、高周波・低周波の電磁界解析、マルチスケールモデリングなど幅広い機能に対応します。
利用時はアプリケーション単位でトークンを消費する方式となっており、共通ライセンスで複数の機能を柔軟に扱える点が特徴です。従来の積み上げ型ライセンスとは異なり、不必要な投資を抑えやすい仕組みになっています。
東京大学の越塚誠一教授の研究成果を基盤として開発された流体解析ソフトです。教授は粒子法(MPS法)の研究で知られ、自由表面を伴う流体挙動や大変形を扱う数値解析分野で多数の実績があります。
本ソフトはMPS法を採用しており、水や油などの液体挙動を粒子ベースで再現できます。メッシュを生成する必要がないため、準備工程を簡素化しながらシミュレーションを行える点が特徴です。
流体の飛散、撥ね、撹拌、潤滑など、メッシュが扱いづらい現象の再現に適しており、製造・機械設計・材料プロセスなど幅広い分野で利用されています。解析の考え方や手順を学べるWebセミナーや技術資料も提供されており、導入時の理解を深めやすい環境が整っています。
salome-mecaは、プリポスト処理ツール「SALOME」と構造解析ソルバー「Code_Aster」を組み合わせた統合CAEソフトです。利用ライセンス数に関係なく無償で利用できる点が特徴です。
フランスの大手電力会社eDFが、電力設備の設計業務を支える目的で開発した経緯を持ち、構造解析を中心に設計系・機械系の幅広い解析ニーズに対応します。線形解析から動的解析、連成解析(マルチフィジックス)まで扱えるため、実務レベルの検討にも利用されています。
基本的な動作環境はLinux(Ubuntu、Debian、Fedora)で、国内外で有償サポートや関連書籍が用意されており、技術情報を入手しながら運用できます。
オープン性の高いCAEソフトは、基礎原理や解析手法への理解を前提とした設計になっていることが多く、慣れていないユーザーには扱いづらい場合があります。また、日本語マニュアルや技術資料が十分に整っていない製品もあり、運用には一定の学習時間が必要になります。
こうした点から、導入経験が少ない段階では、国内企業が提供するサポート体制の整った製品を候補に入れることも検討するほうが無難といえます。TOPページでは機能面や運用面を整理したCAEソフトを紹介しているため、比較の参考としてご覧いただくことができます。
開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。
構造・流体・伝熱・電磁界解析をブラウザ上で完結。192コアが利用可能かつ、数百以上の並列計算により、高速で複数案の同時検証が可能。
非専任でも扱いやすいUIと、ブラウザ上で、⾮専任者でも即座に上流検証へ着手できる設計。設定や結果は、安全なワークスペース内で共有でき、解析専任者とのレビューもスムーズに連携。判断のスピードを損なわない運用を実現する。
AIが解析設定作業をサポートし、非専任者でも迷わずに解析フローを進められる。また、サロゲートモデルを構築することも可能であり、設計〜評価プロセスの効率化を実現する。
CAD/CAM/CAE/PCB/PDMなど、複数の開発ツールをひとつに統合。モデリングから製造準備までの流れが一貫され、データ変換やツール間の切り替えによる手戻りを防ぐ。
構造解析や熱解析、モーション解析などのCAE機能を標準搭載。モデリングしたデータをそのまま使って解析でき、設計段階で強度・熱・動作をすばやく検証できる。
ジェネレーティブデザインや図面自動生成などのAI支援機能を搭載。繰り返し作業を自動化し、形状提案や図面出力を短時間にし、スピーディーに回せる内製開発を支援。
ISO 9001認証に基づく品質管理体制のもと、原子力・航空・自動車などの厳格な規制環境にも対応。社内検証、法規認証、顧客提出に耐える解析精度と信頼性を担保。※1
構造・流体・熱・電磁場・音響など、複数の物理現象を連成解析できるマルチフィジックスCAE。非線形や疲労、衝突、安全試験相関など高精度が求められる現象を再現し、実験データに基づいた設計検証を支援。
Ansys Cloudにより、大規模・非線形解析をクラウド上で高速実行。オンプレミス環境との併用が可能で、計算リソースの柔軟な拡張が行える。
※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)