クラウドCAEには、ブラウザで解析まで行うタイプ、既存CAEをクラウド環境で利用するタイプ、大規模計算向けのHPC利用など複数の形があります。導入時は解析できる範囲だけでなく、CPU・GPUやメモリなどの計算資源、料金体系、機密データの扱いを確認することが重要です。既存環境との連携やチーム共有の方法も含め、自社の運用に合う形態を選びます。
CAEにおけるクラウド活用の例として、解析ソフトや計算リソースをクラウド上で利用する方法があります。
従来のオンプレミスCAEでは、高性能なワークステーションや社内サーバーを用意し、ソフトウェア、ライセンス、計算環境を自社で管理していました。クラウドを活用すると、必要なときにクラウド上の環境へアクセスして解析を行えることがメリットの一つになります。
最初に分けて考えたいこと
ただし、クラウドを活用すると一口に言っても、実際の使い方はいくつかのパターンに分かれます。
クラウド環境をフルに活用する例として、CAEがプラットフォーム化されているサービスがあります。Webブラウザ上でCADデータのアップロード、解析条件の設定、計算実行、結果の可視化までを行えるため、手元のPCに専用ソフトをインストールせずに解析作業を進められます。また、プラットフォーム上でデータを扱えるため、ユーザー間のデータ共有や管理を進めやすい点も特徴です。
一方、既存のCAEソフトや解析環境をクラウド上の計算サーバーで使うタイプもあります。この場合、クラウドは解析ソフトそのものというより、計算リソースやリモート作業環境を提供する役割に近くなります。
すべてのサービスで同じ機能が使えるわけではありません。
選定の出発点
最初に整理すべきなのは、自社のCAE業務で何をクラウド化したいのかです。解析作業をブラウザ上で完結させたいのか、既存環境を活かしながら計算リソースだけを柔軟に使いたいのか、複数人でのデータ共有や管理をしやすくしたいのか。目的が曖昧なままだと、機能一覧や料金だけを見て、実際の業務に合わないサービスを選んでしまいます。
クラウド型CAEソフトと呼ばれるサービスは、大きく3つに分けられます。
| 分類 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| プラットフォーム型 | ブラウザ上で解析設定から結果確認まで行う | 環境構築の負担を抑えたい、解析データの共有・管理をしやすくしたい |
| 既存CAE環境のクラウド化 | 既存ソフトや解析環境をクラウド上で使う | 現在の手順や利用ソフトを活かしながら、計算リソースを柔軟に使いたい |
| HPC・大規模解析基盤型 | 高性能な計算リソースや複数ジョブを管理する | 大規模解析や複数ソフトの運用を効率化したい |
初期環境を用意する手間を減らしやすく、ブラウザ上で解析作業を進めやすい形式です。データ共有やプロジェクト管理をしやすいサービスもあり、複数人でCAEを活用したい場合にも検討しやすい選択肢です。
今の業務フローや利用中のソフトを活かしながら、計算リソースを柔軟に使いたい場合に向いています。
CAEソフトそのものというより、高性能な計算リソースを使うための基盤に近いサービスです。CAEだけでなく、AI、研究計算、シミュレーション、データ解析などに使われることもあります。
優劣ではなく、目的で選ぶ
どれが一番優れているという話ではありません。小さく試したいのか、データ共有や管理をしやすくしたいのか、既存環境を活かしたいのか、大規模解析を効率化したいのか。目的が決まれば、候補は絞りやすくなります。
クラウドを活用したCAEを比較するときには、料金や機能一覧だけでは判断しきれません。導入後に詰まりやすいのは、費用の上振れ、セキュリティ確認、既存環境とのつなぎ込み、現場運用のばらつきです。
まず確認したいのは、次の5点です。
| チェック項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 利用目的・業務範囲 | どの解析業務をクラウド化したいのか。プラットフォーム型が合うのか、既存環境のクラウド利用が合うのか |
| 計算リソースと費用 | 必要なCPU・GPU・メモリを使えるか。利用量に応じて費用がどのように変わるか |
| セキュリティ | データ保存場所、暗号化、認証、権限管理、外部認証・認証規格などを確認できるか |
| 既存環境との連携 | CADデータ形式、既存CAEソフト、ライセンス、社内ネットワークとの関係を確認できるか |
| データ共有・運用管理 | 複数メンバーでの共有、権限設定、データ保存・削除、費用管理のルールを作れるか |
CAEには、構造解析、熱解析、流体解析、電磁界解析、音響解析、粉体解析、粒子法解析などがあります。クラウドを活用したCAEサービスによって、対応領域や得意分野は異なります。
ただし、確認したいのは解析領域だけではありません。自社のCAE業務のうち、どこをクラウド化したいのかを整理することが重要です。
たとえば、ブラウザ上で解析作業を進めたい企業と、既存のCAEソフトを使いながら計算リソースだけをクラウドで補いたい企業では、選ぶべきサービスが変わります。複数拠点でデータを共有したいのか、繁忙期だけ計算リソースを増やしたいのかによっても、見るべきポイントは変わります。
ここが合わないと、料金が安くても現場では使われにくくなります。
確認したいのは、CPU、GPU、メモリ、ストレージ、並列計算の対応範囲です。
小規模な解析なら標準的なリソースで足りる場合もありますが、大規模モデルや複数条件の同時解析では、メモリ不足や計算待ちがボトルネックになることがあります。
一方で、高性能なリソースを使うほど費用が増える料金体系もあります。そのため、使えるリソースの有無だけでなく、どの程度使うとどのくらい費用がかかるのかを確認することが大切です。
現行環境より計算時間を短縮できる、または繁忙期の待ち時間を減らせるなら、クラウドを活用する理由が立ちます。反対に、計算時間がほぼ変わらず、データ転送や費用管理の手間だけが増える場合は、導入効果を説明しにくくなります。
クラウドを活用するCAEの費用は、月額料金だけでは判断できません。ユーザー数、利用時間、計算リソース、ストレージ、データ転送、契約内容によって変わることがあります。
特に従量課金型では、小さく始めやすい反面、利用量が増えると費用も増えます。課金の仕組み自体が分かりにくいというより、自社がどのくらい利用するかを見積もれていないために、運用後の費用感をつかみにくくなるケースがあります。
| 見積もりパターン | 見るべきこと |
|---|---|
| 最小利用 | 月に数回だけ使う場合の費用 |
| 通常利用 | 普段の解析件数で使った場合の費用 |
| 繁忙期・大規模解析 | 高性能リソースや複数ジョブを使った場合の費用 |
解析1件あたりの費用、月間費用、繁忙期の上振れ幅まで説明できる状態にしておくと、稟議に進めやすくなります。
CAEでは、製品形状、材料情報、試作前の設計データなど、機密性の高い情報を扱います。クラウドを活用したCAEを導入するなら、セキュリティ確認は避けられません。
現場は操作性や計算速度を重視しがちですが、情報システム部門はデータ保存先、アクセス権限、ログ、契約条件を見ます。顧客の設計データを扱う場合は、顧客との契約条件も確認が必要です。
すべての項目が必ず必要というわけではありませんが、自社で扱うデータの機密性に応じて確認範囲を決めておくと、社内説明がしやすくなります。
すでにCADやCAEソフトを使っている企業では、既存環境との関係も重要です。
新たにクラウドを活用したCAEを導入する場合でも、必ずしも既存業務をすべて置き換える必要はありません。既存環境を残しながら、一部の解析業務だけをクラウド化する方法もあります。
既存業務を置き換えたいのか、一部を補完したいのかによっても見るべきポイントは変わります。いきなり全面移行するより、クラウド化しやすい解析業務から試す方が現実的です。
クラウド型のCAEは便利ですが、すべての企業に同じ形で合うわけではありません。クラウドかオンプレミスかを二択で考えず、用途ごとに使い分ける視点が必要です。
クラウドを活用したCAEが向いているのは、必要なときに柔軟に計算リソースを使いたい企業です。
CAE活用をこれから広げたい企業では、初期投資を抑えて検証できる点もメリットになります。
次の状態に当てはまる場合は、すぐに全面移行するのではなく、限定的なPoCやオンプレミス環境との併用から始める方が安全です。
全面移行だけが選択肢ではない
クラウドを活用したCAEを契約しても、費用管理やデータ管理のルールが決まっていなければ、現場には定着しません。まずは、どの業務をクラウド化すると効果があるのかを見極めましょう。
なお、クラウドを活用したCAEを検討するからといって、オンプレミス環境をすべて捨てる必要はありません。日常的な小規模解析はオンプレミス、繁忙期の追加計算や大規模解析はクラウド、といった併用から始める方法もあります。
クラウドを活用したCAEは、サービスごとに役割が大きく異なります。
ブラウザ上で解析まで進められるプラットフォーム型のサービスもあれば、既存CAE環境をクラウド化するサービス、HPC基盤として複数ソフトを管理するサービスもあります。
まずは、自社の目的に近い候補から見ていきましょう。
2026年6/16(火)13:30時点、[CAEソフト クラウド]でGoogle検索を行い公式サイトが表示された上位5ツールを紹介いたします。
| 目的 | まず見たい候補 | 合いにくいケース |
|---|---|---|
| 解析環境の制約を減らし、設計・解析のスピードを上げたい | SimScale | 既存CAEソフトをそのままクラウド上で使いたい |
| 既存CAE業務をクラウド化したい | サイバネットCAEクラウド | ブラウザ完結型の単体CAEソフトを探している |
| 構造・熱・固有値解析を小さく試したい | RICOS Cloud CAE | 流体解析を今すぐ使いたい |
| 粒子法流体解析・粉体解析を行いたい | Prometech Cloud | Particleworks / Granuleworksを使う予定がない |
| 複数CAE・HPC・AI環境を全社管理したい | Rescale | 単体の解析ツールを手軽に試したい |
| サービス | タイプ | ポイント |
|---|---|---|
| SimScale | ブラウザ完結型CAEプラットフォーム | プリプロセス、計算、ポスト処理までSimScale上で行える |
| サイバネットCAEクラウド | 既存CAE環境のクラウド化 | CAEポータルから計算サーバを使い、リモートデスクトップで操作する |
| RICOS Cloud CAE | 従量課金型のクラウド活用CAE | 構造解析・熱解析・固有値解析を小さく試しやすい |
| Prometech Cloud | Particleworks / Granuleworks向けクラウド解析基盤 | 粒子法流体解析・粉体解析に特化して検討しやすい |
| Rescale | HPC・AI・シミュレーション統合基盤 | 複数ソフト、計算資源、費用、セキュリティを横断管理する |
ブラウザ完結型CAEプラットフォーム
SimScaleは、既存CAEソフトをクラウド上でそのまま動かすサービスではなく、Webブラウザ上で解析設定、計算実行、結果の可視化まで進められるプラットフォーム型CAEです。解析環境の制約を減らし、設計・解析のスピードを上げたい企業や、CAEを一部の専門部門だけでなく、より広く活用したい企業に向いています。
SimScaleでは、3次元CADモデルのアップロード、材料物性や境界条件の設定、メッシュ分割、シミュレーション実行、結果確認までをSimScale上で進められます。ローカルPCへの専用ソフトのインストールや解析サーバ準備の負担を抑えながら、複数メンバーで解析データを共有・管理しやすい点も特徴です。
| 向いている企業 | 理由 |
|---|---|
| 解析環境の制約を減らしたい | Webブラウザ上で解析設定から結果確認まで進められるため、ローカルPCや社内解析サーバへの依存を抑えやすい |
| 設計・解析のスピードを上げたい | CADアップロードから結果可視化までSimScale上で行えるため、解析作業を進めやすい |
| CAEを一部の専門部門だけでなく、より広く活用したい | ブラウザベースの環境で、設計者にもシミュレーションを使いやすくしやすい |
| 初期投資や運用負荷を抑えたい | ローカルPCへのソフトインストールや解析サーバ準備の負担を抑えやすい |
| 複数拠点・複数メンバーで効率よく解析したい | プロジェクト共有やデータ管理をSimScale上で進めやすい |
| 日本語サポートを重視したい | 構造計画研究所と契約して利用する場合、日本語サポートを受けられる |
向いていないケース
既存CAEソフトや既存ライセンスをそのままクラウド上で使いたい場合は、SimScaleよりも、サイバネットCAEクラウドやRescaleのようなサービスを比較した方がよいでしょう。
また、Communityプランで機密データを扱うのは避けるべきです。作成したプロジェクトが公開されるため、商用利用や非公開データを使った検証では、Professionalプランや評価利用の条件を確認する必要があります。
SimScaleの強みは、単にクラウドで計算できることではありません。解析前の設定、計算実行、結果確認、プロジェクト管理までが1つのWebプラットフォームにまとまっている点です。
CAE向けクラウドサービスの中には、GUI操作や結果表示を含む接続時間に応じて課金されるサービスもあります。一方、SimScaleは年間サブスクリプション内で、プリポスト処理、つまり条件設定や結果表示の操作・表示を無制限に利用できる点も特徴です。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 解析フロー | CADアップロード、条件設定、メッシュ分割、計算実行、結果可視化まで対応 |
| 解析領域 | 構造、流体、伝熱、電磁界、風などの解析例が紹介されている |
| プリポスト処理 | 年間サブスクリプション内で、条件設定や結果表示の操作・表示を無制限に利用可能 |
| プラン | 無料のCommunity、商用利用可能なProfessionalを用意 |
| 評価利用 | Professionalプランは2週間の無料評価利用が可能 |
| サポート | 日本語チャット、AIチャット、プロジェクト共有、オンボーディング、日本語マニュアルに対応 |
| プラン | 主な内容 |
|---|---|
| Community | 無料。一部解析機能を利用可能。作成したプロジェクトはすべて公開。最大10回まで解析可能。計算リソースは3,000CPUh |
| Professional | 商用利用可能。有償プラン。基本的な解析タイプ、無制限のデータストレージ、チャットサポート、10,000CPUhの計算リソースを含む。計算リソースは追加可能 |
プランによって使える解析機能は異なります。
Professionalでも、別途オプションが必要な解析機能があります。導入前には、自社で行いたい解析が対象プランで使えるかを確認しましょう。
SimScaleは、解析環境の制約を減らし、設計・解析のスピードを上げたい企業や、CAEをより広く活用したい企業に向いたサービスです。
既存CAE環境のクラウド化
サイバネットCAEクラウドは、新しいCAEソフトを選ぶというより、既存の解析業務をクラウド上の計算環境で動かしたい企業向けです。
サイバネットCAEクラウドは、CAEポータルから解析に必要な計算サーバを利用できるクラウドサービスです。ブラウザ上のCAEポータルからサーバを操作し、高速リモートデスクトップで解析環境にアクセスします。
| 向いている企業 | 理由 |
|---|---|
| 既存CAE業務をクラウド上でも行いたい | 計算サーバをクラウド上で利用し、リモートデスクトップで操作する |
| 解析用ワークステーションの管理負荷を減らしたい | 手元PCのスペックに依存しにくい環境を用意できる |
| 繁忙期だけ計算リソースを増やしたい | サーバ台数、CPUコア数、メモリ容量を調整できる |
| セキュリティ審査を重視したい | MFA、IP制限、暗号化、操作ログなどの機能が公開されている |
| 費用超過を抑えたい | 費用上限設定によるサーバ自動停止、サーバ単位の利用額表示に対応 |
ブラウザ上で解析条件の設定から結果確認まで完結する単体CAEソフトを探している場合は、SimScaleやRICOS Cloud CAEのようなサービスも比較対象になります。
また、自社で使いたいCAEソフトや既存ライセンスを利用できるかは、事前確認が必要です。評価時と製品版で利用できるオプションが異なる場合もあります。
サイバネットCAEクラウドの強みは、既存のCAE業務をクラウド環境へ移しやすいことです。
CAEポータルでサーバを操作し、高速リモートデスクトップで解析環境を使うため、ブラウザ完結型CAEとは用途が異なります。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| サーバ操作 | Webブラウザ上でサーバ作成・起動・停止・スペック変更が可能 |
| リモート操作 | 高速リモートデスクトップで、大規模モデルの3D表示や低帯域環境での操作に配慮 |
| スペック選択 | CPUコア数、メモリ容量、GPUの有無など約80通りから選択可能 |
| 費用管理 | 月単位の上限値に達するとサーバを自動停止 |
| セキュリティ | MFA、アクセス元IP制限、ストレージ暗号化、TLS1.2以上、操作ログに対応 |
| 運用体制 | AWS/Azure国内リージョン、日本語GUI、日本語マニュアル、国内スタッフによるサポート |
サイバネットCAEクラウドは、既存CAE業務をクラウド上で安全に運用したい企業に向いた候補です。
従量課金型のクラウド活用CAE
RICOS Cloud CAEは、構造解析・熱解析・固有値解析を、従量課金で小さく試したい企業向けです。
RICOS Cloud CAEは、CADモデルからメッシュ生成、解析条件の設定、解析結果の可視化までをRICOSのクラウド環境で行えるCAEサービスです。現在利用できる解析は、構造解析・熱解析・固有値解析です。
| 向いている企業 | 理由 |
|---|---|
| 構造・熱・固有値解析を小さく試したい | 現在サポートしている解析領域が明記されている |
| 年間ライセンス購入前に使用感を見たい | 従量課金制で、使いたいときだけ使いやすい |
| 無料で操作感を確認したい | トライアル用リソースは1回10分まで何度でも無料 |
| 月額基本料金を避けたい | 有料リソースで計算した場合のみ料金が発生 |
| タブレットでも確認したい | ブラウザベースでタブレット端末からも利用可能 |
流体解析を今すぐ使いたい場合は、現時点の提供状況を確認する必要があります。公式ページでは、OpenFOAMによる流体解析は「今後サポート予定」とされています。
また、構造解析・熱解析・固有値解析以外を主目的にする場合は、他のサービスも比較しましょう。
RICOS Cloud CAEの強みは、対応解析を明確に絞り、料金体系を公開している点です。
構造解析・熱解析・固有値解析を小さく試したい企業にとって、無料リソースと公開料金は判断材料になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在サポート | CADモデルからメッシュ生成、解析条件の付与、解析結果の可視化、構造解析、熱解析、固有値解析 |
| 今後予定 | RICOS Mesh、OpenFOAMによる流体解析 |
| 無料リソース | IvyBridge、1コア、8GB。1回10分まで何度でも無料 |
| 課金条件 | 有料の計算リソースで計算を実行した場合のみ料金発生 |
| 基本料金 | アカウント登録料・月額基本料金なし |
| 計算リソース | 構成 | 料金 |
|---|---|---|
| iv_1x_8 | IvyBridge、1コア、8GB | 8円/h/node |
| iv_2x_16 | IvyBridge、2コア、16GB | 16円/h/node |
| iv_8x_60 | IvyBridge、8コア、60GB | 64円/h/node |
| iv_24x_100 | IvyBridge、24コア、100GB | 150円/h/node |
| iv_24x_480 | IvyBridge、24コア、480GB | 240円/h/node |
RICOS Cloud CAEは、構造解析・熱解析・固有値解析を、初期負担を抑えて試したい企業に向いた候補です。
Particleworks / Granuleworks向けクラウド解析基盤
Prometech Cloudは、Particleworks / Granuleworksを使った粒子法流体解析・粉体解析をクラウド上で行いたい企業向けです。
Prometech Cloudは、粒子法流体解析ソフトウェア「Particleworks」と、粉体解析ソフトウェア「Granuleworks」をクラウド上で利用できる解析プラットフォームです。汎用的なクラウド型のCAEではなく、Particleworks / Granuleworks前提で検討するサービスです。
| 向いている企業 | 理由 |
|---|---|
| Particleworks / Granuleworksを使いたい | 両ソフトに対応したクラウド解析プラットフォーム |
| 粒子法流体解析・粉体解析を行いたい | 対応領域が明確 |
| GPUマシンを購入せずに大規模解析を試したい | 最大NVIDIA A100×8基を利用可能 |
| 繁忙期だけ解析リソースを増やしたい | 必要に応じてデポジットを購入して利用 |
| 解析ソフトとクラウド環境をまとめて相談したい | Particleworks / Granuleworks、クラウド、システムまで対応 |
Particleworks / Granuleworksを使わない解析業務が中心の場合は、他のクラウドを活用したCAEやクラウドHPCサービスも比較しましょう。
また、構造解析や汎用的な熱解析を主目的にしている場合は、Prometech Cloudではなく、別サービスの方が合う可能性があります。
Prometech Cloudの強みは、Particleworks / Granuleworksの利用を前提に、GPU計算サーバ、ワークステーション、サポートをまとめて提供している点です。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 対応ソフト | Particleworks、Granuleworks |
| 解析領域 | 粒子法流体解析、粉体解析 |
| 計算リソース | GPU / CPUコンピューティングを選択可能 |
| GPU構成 | 最大NVIDIA A100×8基 |
| 課金方式 | デポジットを購入し、使った分だけ消化される従量課金制 |
| 提供内容 | 月額サービス利用料、GPU計算サーバ、ワークステーション |
| サポート | 解析ソフト、クラウド、システムまでサポート |
| モデルケース | 粒子数・構成 | 計算時間など |
|---|---|---|
| トランスミッションのオイルかき上げ | 約800万粒子、V100 GPU×1基、10ケース同時計算 | 解析時間 約12時間、ポスト時間 約12時間 |
| 巻波型の破砕 | 約5,300万粒子、A100 GPU×8基 | 解析時間 約10時間、ポスト時間 約20時間、ストレージ 2TB |
| 走行車両の被水 | 約2億4,000万粒子、A100 GPU×8基 | 解析時間 約52時間、ポスト時間 約48時間、ストレージ 3TB |
これらは参考例です。公式ページにも、同条件の解析で同じ結果が得られることを保証するものではないと注記されています。
Prometech Cloudは、Particleworks / Granuleworksを使った大規模解析や、一時的な解析ニーズへの対応を重視する企業に向いた候補です。
HPC・AI・シミュレーション統合基盤
Rescaleは、単体CAEソフトではなく、複数の解析ソフトや計算環境をまとめて使うための基盤です。社内で複数のCAE・HPCソフトを使っている企業や、部門ごとにHPC利用費を管理したい企業に向いています。
Rescaleは、CAEを含むモデリング・シミュレーション、HPC、AIワークロードをクラウド上で実行・管理するデジタルエンジニアリングプラットフォームです。
| 向いている企業 | 理由 |
|---|---|
| 複数のCAE・HPCソフトウェアを使っている | 1,200を超えるプリインストール済みソフトウェアタイトル・バージョンから選択できる |
| GUI・CLI・APIを使い分けたい | EnterpriseエディションでGUI、CLI、APIによるワークロード実行が示されている |
| 部門やプロジェクトごとに費用を見たい | 組織、プロジェクト、ユーザー単位で予算・支出を管理できる |
| クラウドワークステーションも使いたい | Elastic Cloud Workstationsに対応 |
| セキュリティ・コンプライアンスを重視したい | SSO、MFA、監査、IPルール、ファイアウォール、SOC 2、FedRAMPなどの情報が公開されている |
単一の解析領域を小さく試したい場合や、ブラウザ上で解析設定から結果確認まで進めたい場合は、RescaleよりもSimScaleやRICOS Cloud CAEのようなサービスの方が合うことがあります。
また、Rescaleは高機能な基盤型サービスのため、導入前にソフトウェア、ライセンス、費用管理、セキュリティ要件を整理しておく必要があります。
Rescaleの強みは、計算リソースをクラウドで使えることではなく、HPC・AI・シミュレーション業務を企業規模で管理できる点です。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| ソフトウェア | 商用、オープンソース、社内カスタムソフトウェアをクラウド規模で実行 |
| カタログ | 1,200超のプリインストール済みソフトウェアタイトル・バージョンから選択可能 |
| 操作手段 | GUI、CLI、APIに対応 |
| ワークステーション | インタラクティブなR&Dワークフローや可視化向けの仮想デスクトップを提供 |
| 費用管理 | 組織、プロジェクト、ユーザー単位で予算・支出を管理 |
| ワークフロー | コストとパフォーマンスを最適化するポリシーベースの管理・自動化 |
| インフラ | マルチクラウドの計算リソース、メモリ、ストレージ、インターコネクトを選択可能 |
| セキュリティ | SSO、MFA、IPルール、ファイアウォール、監査、暗号化などに対応 |
Rescaleは、クラウド活用のCAEソフトというより、CAEを含むHPC・AI・シミュレーション業務を企業全体で管理するためのデジタルエンジニアリング基盤です。複数ソフト、複数部門、複数ワークロードを横断して管理したい企業に向いています。
クラウドを活用したCAEは、資料だけでは判断しにくいサービスです。PoCでは、解析できるかだけでなく、本番運用に耐えるか、社内で説明できるか、費用を管理できるかまで確認します。
PoCでは、なるべく実務に近いデータを使いましょう。サンプルデータでは問題なく動いても、自社のCADデータや解析条件では使いづらいことがあります。
PoCでは、単に「クラウド上で動くか」だけでなく、普段の業務フローに載せられるかを見ることが重要です。解析条件の設定、結果確認、データ共有、費用管理まで含めて確認しておくと、本番導入後のずれを減らせます。
クラウドを活用したCAEの導入で失敗しやすいのは、サービスそのものよりも、事前確認や運用設計の不足です。
無料プランや無料トライアルは、操作感を見るには便利です。ただし、解析回数、計算リソース、保存容量、利用できる機能、プロジェクトの公開範囲などに制限がある場合があります。
無料プランでは基本的な操作感を見る、本番に近い条件、非公開設定、費用感は有償評価やPoCで見るなど、役割を分けると判断しやすくなります。
従量課金型は小さく始めやすい一方、計算回数や使用リソースが増えると費用も増えます。
特に、高性能なGPU、大容量メモリ、長時間の計算、複数ケースの同時実行には注意が必要です。PoC時点で解析1件あたりの費用を記録し、標準的な解析、大規模解析、繁忙期の利用パターンを分けて試算しておきましょう。
クラウドを活用したCAEでは、CADデータや解析結果をアップロード・ダウンロードする場面があります。計算自体は速くなっても、データ転送や表示に時間がかかれば、全体の作業効率は上がりません。
PoCでは、実際のファイルサイズで、アップロード時間、ダウンロード時間、リモート操作の快適さ、複数人利用時の影響を見ておきましょう。
クラウドを活用したCAEの失敗は、技術より運用で起きることがあります。
誰がデータを置くのか、誰が費用を見るのか、どの解析業務をクラウドで行うのか。ここを決めないまま使い始めると、現場ごとに使い方がばらつきます。
サービスのセキュリティ機能だけでなく、自社規定や顧客との契約条件も確認します。
データの保存場所、通信時・保存時の暗号化、多要素認証、IP制限などのアクセス制御、権限管理、操作ログ、契約終了後のデータ削除、海外リージョン利用の有無などを確認しておくと、社内説明を進めやすくなります。
よくあるのは、トライアル時より解析件数や計算リソースが増えるケースです。
大規模モデルを扱う、複数ケースを同時に回す、高性能なCPUやGPUを使う、計算時間が長い、ストレージ利用量が増える。こうした条件が重なると、費用は上がりやすくなります。
サービスの種類によって異なります。
プラットフォーム型では、サービス内の解析機能を使うため、既存のCAEソフトをそのまま使うわけではない場合があります。一方、クラウドHPC型や既存環境のクラウド化を支援するサービスでは、既存ソフトやライセンスとの連携が重要になることがあります。
クラウドを活用したCAEの使い勝手は、ネットワーク環境の影響を受けます。
大容量のCADデータや解析結果を頻繁にアップロード・ダウンロードする場合、通信速度が遅いと作業時間が増えます。リモートデスクトップ型では、画面操作の反応が悪くなることもあります。
PoCでは、社内、在宅勤務先、拠点ごとの通信環境で試しておくと安心です。
クラウドを活用したCAEは、高性能な計算リソースを必要なときに使える選択肢です。初期投資を抑えやすく、複数拠点や在宅勤務でもCAE環境を使いやすくなるため、設計・開発業務の効率化につながる可能性があります。
ただし、安さや手軽さだけで選ぶと、導入後に使いづらさが出ることがあります。見るべきなのは、クラウド化したい業務範囲、計算リソースと費用、セキュリティ、既存環境との連携、データ共有や運用管理のしやすさです。
失敗しやすいのは、機能不足よりも、費用、セキュリティ、データ管理、運用ルールを社内で説明できないことです。
まずは、どの解析業務をクラウド化したいのかを整理しましょう。そのうえで実データを使ったPoCを行い、費用の見通し、セキュリティ条件、既存環境との関係、運用体制まで確認します。
クラウドを活用したCAEは、オンプレミス環境を完全に置き換えるものとは限りません。日常的な解析はオンプレミスで行い、大規模解析や繁忙期だけクラウドを使う方法もあります。自社の解析業務に合う使い方を見つけることが、失敗しない導入につながります。
目的に合わせて選ぶ、
自社に合うCAEソフト
CAEソフト選定の鍵はスペックではなく、開発のどの場面で何を達成したいかです。上流での当たり付けか、詳細設計での精度確保か。フェーズごとの「やりたい検証」にフィットするCAEソフトを整理しました。
開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。
構造・流体・伝熱・電磁界解析をブラウザ上で完結。192コアが利用可能かつ、数百以上の並列計算により、高速で複数案の同時検証が可能。
非専任でも扱いやすいUIと、ブラウザ上で、⾮専任者でも即座に上流検証へ着手できる設計。設定や結果は、安全なワークスペース内で共有でき、解析専任者とのレビューもスムーズに連携。判断のスピードを損なわない運用を実現する。
AIが解析設定作業をサポートし、非専任者でも迷わずに解析フローを進められる。また、サロゲートモデルを構築することも可能であり、設計〜評価プロセスの効率化を実現する。
CAD/CAM/CAE/PCB/PDMなど、複数の開発ツールをひとつに統合。モデリングから製造準備までの流れが一貫され、データ変換やツール間の切り替えによる手戻りを防ぐ。
構造解析や熱解析、モーション解析などのCAE機能を標準搭載。モデリングしたデータをそのまま使って解析でき、設計段階で強度・熱・動作をすばやく検証できる。
ジェネレーティブデザインや図面自動生成などのAI支援機能を搭載。繰り返し作業を自動化し、形状提案や図面出力を短時間にし、スピーディーに回せる内製開発を支援。
ISO 9001認証に基づく品質管理体制のもと、原子力・航空・自動車などの厳格な規制環境にも対応。社内検証、法規認証、顧客提出に耐える解析精度と信頼性を担保。※1
構造・流体・熱・電磁場・音響など、複数の物理現象を連成解析できるマルチフィジックスCAE。非線形や疲労、衝突、安全試験相関など高精度が求められる現象を再現し、実験データに基づいた設計検証を支援。
Ansys Cloudにより、大規模・非線形解析をクラウド上で高速実行。オンプレミス環境との併用が可能で、計算リソースの柔軟な拡張が行える。
※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)