設計した機械製品に予期せぬ振動が発生し、頭を悩ませていませんか?振動問題の解決をサポートするのが、固有値解析(モーダル解析)です。
これは構造物の固有振動数や固有モードを求め、特定の周波数帯域でどのように振動するかを調べる解析です。近年では3DCADに含まれるCAEソフトを活用した解析が一般化しています。応力解析とは異なり、実際の変形量ではなく各モードにおける周波数(固有振動数)に注目する点が大きな特徴です。
一般的な固有値解析は「実固有値解析」と呼ばれ、外力や減衰を考慮せずに計算します。
一方、摩擦や減衰を考慮する必要がある複雑な振動問題(ブレーキの鳴きなど)を扱う場合には、「複素固有値解析」という手法が用いられます。
構造物が持つ固有振動数と外部からの加振力の周波数が一致すると「共振」が発生します。共振は製品の騒音や故障に直結するため、自動車の静音設計などでは特に注意が払われます。
この固有値解析の結果に大きく影響するのが、部品の質量と、材料のヤング率や形状による「剛性」です。各部品の共振周波数が重ならないよう、これらを調整することが求められます。
製品の軽量化を図る際、同時に剛性も下がってしまうことがよくあります。
その結果、他の部品との共振周波数が重なり、新たな騒音問題を引き起こすリスクが生じます。また、部品同士の連結部分は振動を伝搬する役割も持つため、設計には慎重な判断が必要です。
共振を避けるためには、リブを追加して形状剛性を上げるといった補強が有効です。
さらに、同じ材料や形状であっても、支持位置(固定箇所)を変更するだけで固有振動数をずらすことができます。こうしたアプローチをCAE上でシミュレーションすることが、確実な対策につながります。
前のモデルから大幅な軽量化や形状変更を行う際こそ、CAEソフトによる固有値解析の実用性が最も発揮されるタイミングです。
試作前にシミュレーションを行うことで、多額の出費を伴う手戻りを防ぐことができます。実際のハンマリング試験の実測値とCAE結果を照らし合わせ、境界条件の設定を見直すといった解析ノウハウの蓄積が、設計をより効率化させます。
振動問題は原因箇所を特定しづらい厄介な現象ですが、CAEソフトを活用することで設計段階での予測が可能になります。質量や剛性、支持位置の変更による固有振動数のコントロールは、製品の安全性と快適性を守る要となります。
解析経験を社内の財産として蓄積し、コスト削減と品質向上を両立させる設計プロセスを構築していきましょう。
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※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)