CAEソフト導入支援ガイド【CAExplorer】 

COMSOL Multiphysics

COMSOL Multiphysicsは、電磁気学・構造力学・音響学・流体流れ・伝熱・化学反応など、異なる物理現象を一つのモデルで扱えるシミュレーションプラットフォームです。完全連成マルチフィジックスとシングルフィジックスの両方に対応。モデルを構築するModel Builder、モデルや関連データを管理するModel Manager、専用アプリを作るApplication Builderを同じプラットフォーム上で利用できます。

COMSOL Multiphysicsの製品特徴

導入時に確認したいのは、解析できる分野の広さだけではありません。複数現象を一つのモデルにまとめ、作成したモデルと関連データを管理し、用途を絞ったアプリとして展開できることがCOMSOL Multiphysicsの特徴です。

複数の物理現象を
一つのモデルで連成

電磁気学、構造力学、音響学、流体流れ、伝熱、化学反応といった分野を一つのソフトウェア環境で扱えます。個別の現象を解析するだけでなく、相互に影響する現象を同じモデル内で組み合わせられるため、複数分野の影響を一体として捉えたい設計や研究に適しています。

モデル作成から結果評価まで
一貫したワークフロー

Model Builderでは、形状、材料特性、フィジックス、メッシュを設定し、スタディとソルバーで計算した後、結果の可視化や数値評価まで進められます。解析対象が変わっても基本的な操作環境は共通です。異なる分野のモデルを同じ流れで組み立てられます。

モデル・アプリ・関連データを
同じ基盤で管理

Model Managerではモデルやアプリ、CAD・メッシュ・実験データなどの関連ファイルを管理でき、Application Builderでは解析モデルを専用UIのシミュレーションアプリに変換できます。解析担当者が作ったモデルを整理し、用途を絞ってほかの利用者へ展開する流れを構築できます。ただし、データベース接続やアプリ配布にはライセンス・追加製品の条件があります。

※参照元URL:COMSOL公式HP(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics

COMSOL Multiphysicsのおもな機能

プラットフォームを構成する3機能は、Model Builderがモデルの構築と計算、Model Managerが成果物の管理、Application Builderが利用者向けアプリの作成を担います。

Model Builder

Model Builderは、ジオメトリの作成、材料とフィジックスの設定、メッシュ生成、スタディ、ソルバー、結果の可視化・後処理までを扱うモデリング環境です。事前定義されたフィジックスインターフェースに加え、方程式ベースのモデリングにも対応しています。CADとの連携機能もありますが、CADファイルのインポートや修復など、一部の機能にはアドオン製品が必要です。

※参照元URL:COMSOL公式HP「Model Builder」(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics/model-builder

Model Manager

Model Managerは、モデル、アプリ、補助データをデータベースで整理するための機能です。バージョン履歴の確認、モデル内のフィーチャーやパラメーターを対象とした検索、二つのモデルの比較、アクセス制御に対応。ローカルのModel Managerデータベースはクラスキットライセンスを除くライセンスに含まれます。Model Manager Serverへの接続は、フローティングネットワークライセンスまたはシングルユーザーライセンスでサポートされています。

※参照元URL:COMSOL公式HP「Model Manager」(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics/model-manager

Application Builder

Application Builderは、Model Builderで作成したモデルをもとに、用途に合わせた入力項目と計算結果を表示するシミュレーションアプリを作る機能です。基礎モデルの詳細を把握していない利用者でも、必要なパラメーターと結果に集中できる画面を設計できます。アプリを構築できるのはWindows版COMSOL Multiphysicsで、COMSOL環境外へ配布する場合はCOMSOL CompilerまたはCOMSOL Serverが必要です。

※参照元URL:COMSOL公式HP「Application Builder」(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics/application-builder

アドオン製品による解析領域の拡張

COMSOL Multiphysicsには、電磁気、構造力学・音響、流体流れ・伝熱、化学工学などの専門機能を追加するアドオン製品があります。必要な分野を組み合わせても基本のユーザーインターフェースとワークフローは共通です。導入時は、解析したい現象がコア製品に含まれるのか、追加モジュールが必要なのかを確認しましょう。

※参照元URL:COMSOL公式HP(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics

目的に合わせて選ぶ、
自社に合うCAEソフト

CAEソフト選定の鍵はスペックではなく、開発のどの場面で何を達成したいかです。上流での当たり付けか、詳細設計での精度確保か。フェーズごとの「やりたい検証」にフィットするCAEソフトを整理しました。

COMSOL Multiphysicsの導入前に確認したいポイント

COMSOL Multiphysicsは、必要な解析機能と運用方法に合わせて製品・ライセンスを組み合わせます。複数現象の連成、モデルの版管理、専用アプリの配布まで行いたい組織は候補にしやすい一方、用途が一つの解析に限られる場合は、必要なアドオンと費用が見合うかを確認しておきましょう。

確認項目 確認内容
解析領域 対象となる物理現象と連成内容を整理し、コア製品だけで対応できるのか、アドオン製品が必要なのかを確認します。
モデル管理 ローカルのModel Managerデータベースは、クラスキットライセンスを除くライセンスに含まれます。Model Manager Serverへの接続は、フローティングネットワークライセンスまたはシングルユーザーライセンスでサポートされています。
アプリの構築・配布 Application Builderによるアプリ構築には、Windows版のCOMSOL Multiphysicsが必要です。COMSOL環境外へ配布する場合は、スタンドアロンアプリを作成するCOMSOL Compilerまたは、サーバー上でアプリを管理・実行するCOMSOL Serverを使用します。
ライセンス 利用者数、使用端末、ネットワーク利用、契約期間に合うライセンスタイプを確認します。具体的な製品価格は公開されていないため、日本総代理店への問い合わせが必要です。
※参照元URL:COMSOL公式HP「Model Manager」(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics/model-manager
※参照元URL:COMSOL公式HP「Application Builder」(https://www.comsol.jp/comsol-multiphysics/application-builder
※参照元URL:COMSOL公式HP「COMSOL Compiler」(https://www.comsol.jp/comsol-compiler
※参照元URL:COMSOL公式HP「COMSOL Server」(https://www.comsol.jp/comsol-server
※参照元URL:COMSOL公式HP「License Options」(https://www.comsol.jp/products/licensing

COMSOL Multiphysicsの口コミ・評判

COMSOL公式サイトのユーザー事例から、製品選定や活用に関する発言を抜粋します。いずれも各社・各担当者の個別の経験であり、すべての利用環境に共通する評価ではありません。

IAV社の口コミ

「これらすべての分野に対応できる1つのツールが必要だ」

IAV社の技術コンサルタントJakob Hilgert氏が、分野ごとに多数の専用ツールを使っていた状況から、電池開発で複数分野を扱える単一ツールが必要になった経緯を語ったコメントの抜粋です。

※参照元URL:COMSOL公式HP「ツインバッテリアプローチでEV開発を推進」(https://www.comsol.jp/story/driving-ev-development-with-a-twin-battery-approach-140391

VWカッセルの口コミ

「COMSOL Multiphysics® はその透明性が独特です.」

VWカッセルのシミュレーションエンジニアSteffen Rothe博士による発言の抜粋です。公式事例では、実装された方程式の表示・変更や、独自方程式の追加ができる点を説明する文脈で紹介されています。

※参照元URL:COMSOL公式HP「VW、電気自動車用モーターの開発にシミュレーションアプリケーションを活用」(https://www.comsol.jp/story/simulation-applications-streamline-the-development-of-electric-vehicle-motors-80591

COMSOL Multiphysicsの価格・ライセンス

COMSOLのライセンスは、永久ライセンスまたはタームライセンスとして提供されています。利用者数や端末、ネットワーク利用、教育用途などに応じて複数のライセンスタイプがあります。具体的な製品価格は公開されておらず、日本では日本総代理店への問い合わせが必要です。

料金形態 永久ライセンス、タームライセンス(最低12か月)
製品価格 [公式サイトに記載がありませんでした。]
永久ライセンスの保守 購入後最初の12か月はアップデートとテクニカルサポートを含みます。翌12か月の保守は、その時点の価格の20%で更新できます。
おもなライセンスタイプ CPU固定ライセンス、ユーザー指定ライセンス(NSL)、ネットワークライセンス(FNL)など。商用のCOMSOL Serverライセンス、アカデミック向けのクラスキット/アカデミックサーバーライセンスもあります。
国内の価格問い合わせ先 計測エンジニアリングシステム株式会社
※参照元URL:COMSOL公式HP「License Options」(https://www.comsol.jp/products/licensing
※参照元URL:COMSOL公式HP「お問い合わせ」(https://www.comsol.jp/contact

COMSOL Multiphysicsのサポート

COMSOL Accessと
ナレッジベース

公式サポートセンターでは、ナレッジベースの閲覧、最新バージョンとアップデートのダウンロード、サポートへの問い合わせ窓口が用意されています。サポートへ連絡するにはCOMSOL Accessアカウントでのサインインが必要です。利用できる内容は契約状況によって異なるため、アカウント上で確認してください。

※参照元URL:COMSOL公式HP「サポートセンター」(https://www.comsol.jp/support

ラーニングセンターと
トレーニングコース

ラーニングセンターには、モデリングワークフロー、電磁気学、構造・音響、流体・熱、化学、インターフェースなどの学習コンテンツがあります。別途、インストラクターによるトレーニングコースも案内されており、オンライン・対面、分野、言語などで絞り込めます。日本語による技術サポートの具体的な対応範囲は、[公式サイトに記載がありませんでした。]

※参照元URL:COMSOL公式HP「ラーニングセンター」(https://www.comsol.jp/support/learning-center
※参照元URL:COMSOL公式HP「トレーニングコース」(https://www.comsol.jp/events/training-courses

COMSOL Multiphysicsのメーカー・販売会社

メーカー・製品開発元 COMSOL AB
日本総代理店 計測エンジニアリングシステム株式会社
メーカー公式HPのURL https://www.comsol.jp/
日本総代理店の製品ページ https://kesco.co.jp/comsol/
※参照元URL:COMSOL公式HP「COMSOLについて」(https://www.comsol.jp/company
※参照元URL:COMSOL公式HP「お問い合わせ」(https://www.comsol.jp/contact
目的別
CAEソフトおすすめ3選

開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。

開発上流での高速な
複数案検証・当たり付け
シムスケール
SimScale
画像引用元:SimScale公式HP
(https://simscale.kke.co.jp/)
分散・並列実行で解析
を高速化

構造・流体・伝熱・電磁界解析をブラウザ上で完結。192コアが利用可能かつ、数百以上の並列計算により、高速で複数案の同時検証が可能。

上流での即時検証と連携
が可能なクラウド設計

非専任でも扱いやすいUIと、ブラウザ上で、⾮専任者でも即座に上流検証へ着手できる設計。設定や結果は、安全なワークスペース内で共有でき、解析専任者とのレビューもスムーズに連携。判断のスピードを損なわない運用を実現する。

AIとサロゲートモデル
構築による効率化

AIが解析設定作業をサポートし、非専任者でも迷わずに解析フローを進められる。また、サロゲートモデルを構築することも可能であり、設計〜評価プロセスの効率化を実現する。

CAD・CAM一体化による
手戻り抑制・内製効率化
オートデスク フュージョン
Autodesk Fusion
画像引用元:Autodesk Fusion 公式HP
(https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview)
開発ツールの統合で
手戻りを防ぐ

CAD/CAM/CAE/PCB/PDMなど、複数の開発ツールをひとつに統合。モデリングから製造準備までの流れが一貫され、データ変換やツール間の切り替えによる手戻りを防ぐ。

設計段階で性能と信頼性
を検証

構造解析や熱解析、モーション解析などのCAE機能を標準搭載。モデリングしたデータをそのまま使って解析でき、設計段階で強度・熱・動作をすばやく検証できる。

設計業務を効率化するAI搭載

ジェネレーティブデザインや図面自動生成などのAI支援機能を搭載。繰り返し作業を自動化し、形状提案や図面出力を短時間にし、スピーディーに回せる内製開発を支援。

詳細設計〜最終判断のための
高精度再現・相関確保
アンシス
Ansys
画像引用元:Ansys公式HP
(https://www.ansys.com/ja-jp)
信頼性の高い解析精度と
品質保証体制に対応

ISO 9001認証に基づく品質管理体制のもと、原子力・航空・自動車などの厳格な規制環境にも対応。社内検証、法規認証、顧客提出に耐える解析精度と信頼性を担保。※1

高度なマルチフィジックス解析に対応

構造・流体・熱・電磁場・音響など、複数の物理現象を連成解析できるマルチフィジックスCAE。非線形や疲労、衝突、安全試験相関など高精度が求められる現象を再現し、実験データに基づいた設計検証を支援。

高負荷解析を支える
HPCとクラウド環境

Ansys Cloudにより、大規模・非線形解析をクラウド上で高速実行。オンプレミス環境との併用が可能で、計算リソースの柔軟な拡張が行える。

※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance