CAEソフト導入支援ガイド【CAExplorer】 

CAE用PCの推奨スペックとは?

CAE(シミュレーション)を快適に行うためには、一般的なPC以上の高いハードウェア要件が求められます。業務に適した環境を構築するため、CAE用PCに必要なCPUやメモリの推奨スペック、ストレージ構成の目安を紐解きます。

CAE用PC選びの基本的な考え方

解析業務用のPCを選ぶ際、どのような基準を持つべきか迷う方も多いはずです。CAEを用いた解析では一部GPUの利用も拡大していますが、依然としてCPUが計算処理の中心を担います。科学計算などの高負荷な処理を長時間行うため、冷却性能やTDP(熱設計電力)の観点から、ノートPCよりもデスクトップPC(ワークステーション)が適していると言えるでしょう。

【パーツ別】CAE用PCの推奨ハードウェア要件

PCの性能は各パーツの組み合わせで決まります。CAEを快適に動かすために求められる具体的なスペックをパーツごとに見ていきます。

CPUの選び方

計算処理の要となるCPUは、なるべく新しい世代の選択が基本です。ベースクロックが高く、L3キャッシュ容量が大きいモデルを推奨します。並列計算を行う場合は物理コア数(Pコア)が重要になる一方で、発熱量(TDP)によるサーマルスロットリング(熱による性能低下)にも注意を払う必要があります。

メモリ(RAM)の推奨容量

メモリが不足すると計算速度が著しく低下します。陽解法の衝突解析などであれば、64GB〜128GBが容量の目安となります。一方で、陰解法を含む大規模な解析を行う場合は、512GB以上の大容量メモリが要求されるケースもあるため、目的に応じた選定が不可欠です。

ストレージ(SSD/HDD)の構成

ストレージは仮想メモリとして利用される際の速度低下を防ぐため、OSや計算用には読み書きが高速なSSD(1TB〜4TB程度)が必須と言えます。さらにデータ保存用として、大容量のHDD(8TB以上)を組み合わせる構成が一般的です。

解析ソフトウェアによる並列処理効果の違いに注意

「CPUコア数が多ければ多いほど速い」と思い込んでいませんか?実は使用するCAEソフトウェアによって、並列処理の効果に差が出ます。熱流体解析や樹脂流動解析は多コアの恩恵を受けやすいものの、構造解析(SOLIDWORKS Simulationなど)では一定のコア数を超えると効果が頭打ちになる検証結果が存在します。ソフトの特性に合わせたスペック選定が求められるというわけです。

用途に適したワークステーション選定を

CAE用のPC選定は、計算時間や業務効率に直結する重要な投資です。初期コストを抑えるためにゲーミングPCなどを選ぶのではなく、ソフトウェアベンダーの動作保証(ISV認証)を受けたプロフェッショナル向けのワークステーションを選ぶことで、耐久性と安定性を確保できるでしょう。

目的別
CAEソフトおすすめ3選

開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。

開発上流での高速な
複数案検証・当たり付け
シムスケール
SimScale
画像引用元:SimScale公式HP
(https://simscale.kke.co.jp/)
分散・並列実行で解析
を高速化

構造・流体・伝熱・電磁界解析をブラウザ上で完結。192コアが利用可能かつ、数百以上の並列計算により、高速で複数案の同時検証が可能。

上流での即時検証と連携
が可能なクラウド設計

非専任でも扱いやすいUIと、ブラウザ上で、⾮専任者でも即座に上流検証へ着手できる設計。設定や結果は、安全なワークスペース内で共有でき、解析専任者とのレビューもスムーズに連携。判断のスピードを損なわない運用を実現する。

AIとサロゲートモデル
構築による効率化

AIが解析設定作業をサポートし、非専任者でも迷わずに解析フローを進められる。また、サロゲートモデルを構築することも可能であり、設計〜評価プロセスの効率化を実現する。

CAD・CAM一体化による
手戻り抑制・内製効率化
オートデスク フュージョン
Autodesk Fusion
画像引用元:Autodesk Fusion 公式HP
(https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview)
開発ツールの統合で
手戻りを防ぐ

CAD/CAM/CAE/PCB/PDMなど、複数の開発ツールをひとつに統合。モデリングから製造準備までの流れが一貫され、データ変換やツール間の切り替えによる手戻りを防ぐ。

設計段階で性能と信頼性
を検証

構造解析や熱解析、モーション解析などのCAE機能を標準搭載。モデリングしたデータをそのまま使って解析でき、設計段階で強度・熱・動作をすばやく検証できる。

設計業務を効率化するAI搭載

ジェネレーティブデザインや図面自動生成などのAI支援機能を搭載。繰り返し作業を自動化し、形状提案や図面出力を短時間にし、スピーディーに回せる内製開発を支援。

詳細設計〜最終判断のための
高精度再現・相関確保
アンシス
Ansys
画像引用元:Ansys公式HP
(https://www.ansys.com/ja-jp)
信頼性の高い解析精度と
品質保証体制に対応

ISO 9001認証に基づく品質管理体制のもと、原子力・航空・自動車などの厳格な規制環境にも対応。社内検証、法規認証、顧客提出に耐える解析精度と信頼性を担保。※1

高度なマルチフィジックス解析に対応

構造・流体・熱・電磁場・音響など、複数の物理現象を連成解析できるマルチフィジックスCAE。非線形や疲労、衝突、安全試験相関など高精度が求められる現象を再現し、実験データに基づいた設計検証を支援。

高負荷解析を支える
HPCとクラウド環境

Ansys Cloudにより、大規模・非線形解析をクラウド上で高速実行。オンプレミス環境との併用が可能で、計算リソースの柔軟な拡張が行える。

※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)