コア数を2倍にすれば計算時間は半分になりますか?
そうとは限りません。ソルバーとモデルによって並列計算の効率が変わります。まずは同じ解析でコア数を変えて測りましょう。
CAE ANALYSIS TIME GUIDE
CAEの計算がなかなか終わらず、次の設計案を試せない。そんなとき、すぐにコア数を増やしても、期待したほど速くならないことがあります。細かすぎるメッシュ、時間刻み、並列計算の効率など、時間がかかる理由は解析ごとに違うからです。
まず、速くしたいのは1ケースの計算なのか、複数案の比較が終わるまでなのかを決めましょう。目標が違えば、選ぶ対策も変わります。
1件の解析が長いなら、モデル、計算条件、実行環境を調べます。複数案の比較に時間がかかるなら、条件を変える手作業や、ジョブを同時に実行できる数にも目を向けましょう。1件を速く解くための並列計算と、複数件を同時に走らせることは別です。
1ケースの計算時間 / 全案の投入から結果確認までの時間
設計案を比べたい場合、1件の計算時間だけが短くなっても、全案の結果がそろう時刻が変わらなければ目的は達成できません。どちらの時間を減らすのか、先に決めておきましょう。
普段使っているモデルを一つ選び、形状準備、メッシュ作成、計算実行、結果確認にかかった時間を書き出してみましょう。計算実行が長ければ、要素数、時間ステップ、反復回数、使用コア数、ピークメモリを確認します。
計算が収束せず再実行を繰り返しているなら、計算機の性能を上げる前に、その原因を調べたいところです。速く解ける環境を用意しても、設定が原因の手戻りは残ります。
| 長い工程 | 確認する項目 | 対策の候補 |
|---|---|---|
| メッシュ作成・計算 | 細部形状、要素数、局所の細分化 | 目的に照らした形状整理、メッシュ感度の確認 |
| 時間依存の計算 | 時間刻み、許容誤差、反復回数 | 結果の妥当性を見ながら設定を検証 |
| 複数案の比較 | 条件変更の手作業、同時実行数 | パラメータースタディ、自動化、複数ジョブ実行 |
小さな穴や面のために、その周辺だけメッシュが細かくなっていませんか。
応力集中や流れを左右する形状まで削ってはいけません。形状を変える前後で、設計判断に使う値を比べましょう。
メッシュを粗くすると計算負荷を下げられますが、必要な精度まで失うおそれがあります。サイズを段階的に変え、重要な評価量がどれだけ変わるか確認しましょう。物理条件が対称なら、計算領域を小さくできる場合もあります。
時間依存解析では、小さい時間刻みや非線形計算の反復が実行時間に影響します。とはいえ、許容誤差を緩めれば必ず速くなるわけではありません。確認したい現象の時間スケールを踏まえ、設定変更の前後で結果と実行時間を一緒に見ましょう。
CPUのコア数を2倍にしても、計算時間が半分になるとは限りません。Ansys OpticsのFDTD計算でも、コア数を増やしたときの速度向上はモデルや構成に左右されます。増設を決める前に、同じモデルでコア数を変え、実行時間を比べましょう。
GPUも同様です。搭載するだけで、すべてのCAE計算が速くなるわけではありません。利用中の解析種で使えるかを確認し、効果は実測で判断しましょう。
寸法や材料などを変え、複数の設計案をまとめて検証できるCAEもあります。たとえばAnsys Discoveryは、パラメータースタディを使った複数案の検討を案内しています。
ここで確かめたいのは、複数案を設定できることと、複数案を同時に計算できることの違いです。条件を自動で変えられても、計算は一件ずつ進む方式があります。
同時実行には、使用可能なコア数、メモリ、ライセンスの条件が伴います。
複数案の比較が目的なら、製品の「パラメータースタディ対応」という表示だけで決めず、変えられる条件、実行方式、同時実行数、結果を比較する方法まで確認しましょう。
普段使うモデルを一つ選び、現在の結果と所要時間を基準として残しましょう。モデル、メッシュ、設定、計算資源を一度に変えると、何が効いたのか分かりません。一つずつ試すと判断しやすくなります。
複数案を扱う場合は、各案の計算時間に加え、全案の結果がそろうまでの時間も測ってください。比較には次の項目を使えます。
目指すのは、最速の設定そのものではありません。設計判断に必要な精度を保ち、期限までに必要な案を比べられることを合格条件にしましょう。
そうとは限りません。ソルバーとモデルによって並列計算の効率が変わります。まずは同じ解析でコア数を変えて測りましょう。
製品と実行方式によります。条件を自動で順番に評価する機能と、複数ジョブを同時に走らせる機能は分けて確認してください。コア、メモリ、ライセンスの上限も見ておきましょう。
まずはモデルと設定を見直し、計算資源の増強は代表モデルで効果を測ってから判断しましょう。複数案を検討したいなら、パラメータースタディの有無に加え、同時実行の条件まで確認してください。
目的に合わせて選ぶ、
自社に合うCAEソフト
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※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)