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CAEのライセンスが足りないときは?

CAE LICENSE GUIDE

CAEのライセンスが足りないときは?
同時利用の条件を確認し、待ち時間を減らす

CAEを使いたいのに、ほかの担当者の作業が終わるまで待たなければならない。解析を追加したくても、ライセンスを取得できず実行できない。こうした状況では、まず何の利用枠が足りないのかを確認しましょう。起動できない原因が、サーバーとの接続にある場合もあります。

実際に利用枠が不足しているなら、利用時間の調整で対応できるのか、追加契約が必要なのかを判断します。設計者の人数だけで必要数を決めず、同時に使う人数と、同時に実行したい解析の数を分けて考えることが出発点です。

01ライセンス不足と、接続・計算環境の問題を切り分ける

「ライセンスを取得できない」という表示だけで、契約数が足りないとは判断できません。ライセンスサーバーとの通信や接続先の設定、管理サービスの稼働状況に問題がある場合も、取得に失敗します。

エラーメッセージを残し、管理担当者と次の点を照合してください。

  • 実行したい製品・機能のライセンスが契約に含まれているか
  • そのライセンスが使用中で、同時利用の上限に達しているか
  • ライセンスサーバーへ接続でき、管理サービスが動いているか

ライセンスを取得できているのに計算が始まらない場合は、計算機の空きやジョブの待機理由も確認しましょう。ソフトを使う権利と、実際に計算するための資源を分けて調べると、追加すべきものを絞れます。

02不足しているのは、利用人数の枠か、解析の実行枠か

共有型のライセンスには、同時に使う人数を基準に契約する方式があります。インストールできる台数と、同時に使える人数は同じとは限りません。また、解析に必要なライセンスの数え方が、使用コア数や同時実行する解析数によって変わる製品もあります。

同じ「足りない」でも、確認する条件は異なる
進めたい作業確認する条件相談時に伝える内容
複数人で同時に使いたい同時利用者数、対象の製品・機能誰が、いつ、どの機能を使いたいか
複数の解析を同時に実行したいソルバーの同時実行数、各ジョブの利用条件並行して計算したいケース数と解析種別
1件の解析に多くのコアを使いたい使用可能なコア数、並列計算のライセンス条件1ジョブに割り当てたい計算資源

たとえば、一人で複数案を計算したい場合、確認したいのは利用者数の枠だけではありません。1件を複数コアで解くことと、複数件を同時に解くことも分け、予定している実行方法を販売元へ伝えましょう。

03追加購入の前に、利用の偏りと返却状況を見直す

使い終わったアプリの終了と返却を確認する

共有ライセンスでは、作業を終えたアプリを所定の方法で終了し、ライセンスが返却されたか確認しましょう。画面を開いたままになっている端末があれば、利用者に作業状況を確かめます。

画面操作が止まっていても、計算は続いているかもしれません。実行中の解析を確認してから終了を判断し、終了後も使用中の表示が残る場合は、管理担当者に確認を依頼してください。

作業予定と、解析を実行する時間帯を共有する

利用が重なる時間帯を把握し、長時間の解析を投入する予定と、急ぎの検証の期限を共有します。時刻を変更できる計算は空き時間へ回し、優先する案件の決め方もそろえておくと、担当者同士で調整しやすくなります。

ただし、必要な検証を期限までに終えられない状態が続くなら、調整できる範囲を超えています。残業や検証案の削減で埋め合わせる前に、利用枠の追加を検討しましょう。

04恒常的な不足か、繁忙期だけの不足かで対策を選ぶ

日常的に待ち時間が発生する場合と、特定の案件で一時的に足りない場合では、必要な契約の考え方が変わります。一時的な需要を補うため、使用量に応じて消費する従量型のライセンスを用意したCAEもあります。

不足が起きる期間と、作業を動かせる範囲で比べる
利用状況検討する対策契約前に確認すること
普段から同時利用の上限に達する不足している製品・機能の利用枠を追加必要な人数・解析数を満たす契約内容と継続費用
繁忙期や特定案件だけ足りない従量利用など、一時的な需要を補う方式対象機能、課金単位、想定使用量での費用
実行時刻を変えれば現在の枠で対応できる予約やジョブ投入時刻の調整調整後も各案件の期限を守れるか

クラウドで計算機を確保する場合も、ソフトウェアの使用権を別に確認してください。計算資源を増やす計画と、必要な解析を実行できるライセンスの計画を合わせて見積もる必要があります。

05必要数は「使えた数」と「待っていた作業」を合わせて考える

管理画面で最大使用数を確認するときは、その上限のために開始できなかった作業も記録しましょう。使用中の数だけでは、「あと何人、何件が同時に使いたかったのか」までは分かりません。

  • 利用したい日時と、必要だった製品・機能
  • その時点で使用中だった数と、開始できなかった人数・解析数
  • ライセンス待ちが始まってから、取得できるまでの時間
  • 予定していた使用コア数と、計算機の空き状況
  • 結果が必要な期限と、実行時刻を変更できる範囲

通常期と繁忙期の両方で確認し、待ち時間をどこまで許容できるか決めておきます。常に待ち時間をなくす契約にするのか、急ぎの案件を処理できる枠を確保するのかで、見積もりの条件も変わります。

販売元には、登録されている利用者の総数だけでなく、同時に進めたい作業と不足する期間を伝えましょう。追加契約の候補を、同じ利用条件で比較できます。

06CAEのライセンス不足に関するよくある質問

設計者全員分のライセンスが必要ですか?

共有型で同時利用数を基準にする契約なら、利用者の総数と必要な契約数は一致しない場合があります。一方、利用者を指定する方式もあります。契約方式と利用できる人の範囲を確認し、同時に使いたい人数や機能から必要数を判断してください。

PCやサーバーを増やせば、ライセンス待ちも解消しますか?

同時利用の上限に達している場合は、計算機の台数を増やすだけでは利用枠は増えません。ライセンス待ちと、計算資源が空くまでの待ち時間を分けて確認しましょう。

繁忙期だけ足りない場合も、通常の契約数を増やすべきですか?

まず、不足する期間と使用量を整理し、対象のCAEで従量利用などの方式を選べるか確認してください。通常の契約を増やす場合の費用と、想定使用量に応じた費用を比べ、必要な機能を使えるかも含めて判断しましょう。

07複数の設計案を同時に検証できるCAEも選択肢に入れる

ライセンスを見直すときは、今のソフトの契約数に加え、必要な検証をどう進めたいかも整理しておきましょう。CAEの中には、条件を変えた複数のケースを別々のジョブとして同時に計算し、設計案の比較を進められるものもあります。

確認したいのは、複数の条件をまとめて設定できることと、複数の条件を同時に計算できることの違いです。必要な同時実行数、各ジョブの使用コア数、メモリ、ライセンス条件を確認し、普段扱うモデルで全案の結果がそろうまでの時間を比べましょう。

複数人で操作する権利と、一人が複数案を同時に計算する権利も分けて確認します。検証したい案を順番に待たせているなら、こうした実行方式まで含めてCAEを比較する余地があります。

必要な検証を、期限までに進められる利用環境へ

CAEのライセンスが足りないときは、不足している機能と同時利用の条件を確かめ、利用の調整で対応できる範囲と追加契約が必要な範囲を整理しましょう。複数案の比較が滞っているなら、複数の検証を同時に進められるCAEも選択肢に入れ、ライセンス条件と計算環境を合わせて検討してください。

目的に合わせて選ぶ、
自社に合うCAEソフト

CAEソフト選定の鍵はスペックではなく、開発のどの場面で何を達成したいかです。上流での当たり付けか、詳細設計での精度確保か。フェーズごとの「やりたい検証」にフィットするCAEソフトを整理しました。

目的別
CAEソフトおすすめ3選

開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。

開発上流での高速な
複数案検証・当たり付け
シムスケール
SimScale
画像引用元:SimScale公式HP
(https://simscale.kke.co.jp/)
分散・並列実行で解析
を高速化

構造・流体・伝熱・電磁界解析をブラウザ上で完結。192コアが利用可能かつ、数百以上の並列計算により、高速で複数案の同時検証が可能。

上流での即時検証と連携
が可能なクラウド設計

非専任でも扱いやすいUIと、ブラウザ上で、⾮専任者でも即座に上流検証へ着手できる設計。設定や結果は、安全なワークスペース内で共有でき、解析専任者とのレビューもスムーズに連携。判断のスピードを損なわない運用を実現する。

AIとサロゲートモデル
構築による効率化

AIが解析設定作業をサポートし、非専任者でも迷わずに解析フローを進められる。また、サロゲートモデルを構築することも可能であり、設計〜評価プロセスの効率化を実現する。

CAD・CAM一体化による
手戻り抑制・内製効率化
オートデスク フュージョン
Autodesk Fusion
画像引用元:Autodesk Fusion 公式HP
(https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview)
開発ツールの統合で
手戻りを防ぐ

CAD/CAM/CAE/PCB/PDMなど、複数の開発ツールをひとつに統合。モデリングから製造準備までの流れが一貫され、データ変換やツール間の切り替えによる手戻りを防ぐ。

設計段階で性能と信頼性
を検証

構造解析や熱解析、モーション解析などのCAE機能を標準搭載。モデリングしたデータをそのまま使って解析でき、設計段階で強度・熱・動作をすばやく検証できる。

設計業務を効率化するAI搭載

ジェネレーティブデザインや図面自動生成などのAI支援機能を搭載。繰り返し作業を自動化し、形状提案や図面出力を短時間にし、スピーディーに回せる内製開発を支援。

詳細設計〜最終判断のための
高精度再現・相関確保
アンシス
Ansys
画像引用元:Ansys公式HP
(https://www.ansys.com/ja-jp)
信頼性の高い解析精度と
品質保証体制に対応

ISO 9001認証に基づく品質管理体制のもと、原子力・航空・自動車などの厳格な規制環境にも対応。社内検証、法規認証、顧客提出に耐える解析精度と信頼性を担保。※1

高度なマルチフィジックス解析に対応

構造・流体・熱・電磁場・音響など、複数の物理現象を連成解析できるマルチフィジックスCAE。非線形や疲労、衝突、安全試験相関など高精度が求められる現象を再現し、実験データに基づいた設計検証を支援。

高負荷解析を支える
HPCとクラウド環境

Ansys Cloudにより、大規模・非線形解析をクラウド上で高速実行。オンプレミス環境との併用が可能で、計算リソースの柔軟な拡張が行える。

※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)