高性能なPCへ替えれば解消しますか?
待っている原因がそのPCの処理能力なら候補になります。共有サーバーのキューやライセンスの空きが原因なら、手元のPCだけ替えても開始待ちは変わりません。
CAE WORKFLOW GUIDE
CAEの計算を投入しても開始されず、結果を待つ間に設計判断が止まってしまう。そんなときは、計算機を増やす前に「どこで待っているか」を確認します。計算資源、ソフトのライセンス、ジョブの優先度では、効く対策が異なるためです。
まず代表的な解析について、投入・開始・終了・結果確認の時刻を記録しましょう。待機が長いのか、計算自体が長いのかを分けるだけでも、次に調べる対象が絞れます。
投入から開始までが長ければ、キュー・ライセンス・計算資源の空きを調べます。開始後が長ければ、モデルやソルバー設定、使うコア数を検証します。計算が終わっても結果を設計へ戻すのが遅いなら、結果の受け渡しや確認の流れが論点です。
投入 → 開始(待機) → 終了(実行)
→ 判断に使える状態(確認・共有)
一つの解析の実行時間だけを短くしても、他の解析が長く並ぶなら業務の停滞は解消しません。評価するのは、必要な結果をいつ受け取れるかです。
ジョブ管理画面やログで、保留理由、要求コア数・メモリ・実行上限時間、投入・開始時刻を確認します。表示項目や意味は利用中のスケジューラで確認してください。
| 観測したこと | 先に確認すること |
|---|---|
| 計算ノードに空きがない | 同時実行数、要求コア数・メモリ、投入が集中する時間帯 |
| 空きノードがあるのに始まらない | 要求コア数・メモリと使える資源の組合せ、予約条件、ライセンス、優先度、依存ジョブ |
| 開始後の処理が長い | 計算条件、並列数、入出力、モデル規模 |
ライセンス不足も見落とせません。たとえばAnsysのライセンス管理では、要求したライセンスが使えず待機する状態が定義されています。計算機だけ増やしても、ライセンスが先に上限へ達していれば着手数は増えません。
過去の使用量より大きいコア数やメモリを一律に要求しているなら、代表ジョブの実績と照合します。大きな資源要求は開始待ちを長くする場合があります。ただし必要量を削ると実行時間や完了率に影響するため、設定変更の前後で両方を測ります。
納期が近い検証と探索的な多数ケースを同じ列に並べているなら、部門で優先基準を決め、管理者とキュー設定を確認します。Slurmでは予約や優先度設定が実行順に関わります。ある案件を早める設定は他の案件にも影響するため、例外の扱いまで決めておくと運用しやすくなります。
ライセンスの空きが支配的なら契約や同時利用条件、計算ノードが支配的なら設備増設やクラウド利用を検討します。繁忙期だけジョブが集中する場合は、必要な期間だけ計算資源を増やす方法も候補です。
1件の解析を速くしたいのか、複数件を同時に進めたいのかも分けます。前者は同一モデルで並列数を変えて実行時間を測り、後者は同時実行可能な件数と待機時間を測ります。購入前に代表モデルで測るのが確実です。
設備やサービスを比較するときは、代表モデルと入力条件を固定します。通常時と繁忙時それぞれについて、同時投入数、優先度、投入する時間帯をそろえ、複数回測ってください。投入から結果確認までを待機、実行、データ転送、確認に分けて記録すれば、どこが改善したか見えます。
精度や再現性も維持する必要があります。速さだけで採用せず、同じ評価位置の結果と、解析担当者が手順を再現できるかを確認します。
待っている原因がそのPCの処理能力なら候補になります。共有サーバーのキューやライセンスの空きが原因なら、手元のPCだけ替えても開始待ちは変わりません。
必ずとは言えません。ソフトとライセンスの対応、使える計算資源、データ転送を確認し、代表ジョブの総所要時間で比較します。
順番待ちの対策は、設備の規模だけでは決まりません。投入・開始・終了・結果確認の時刻と保留理由を残し、まず最も長い区間に手を打つ。改善後は同じ代表ジョブで、結果が設計判断に届くまでの時間を比べてください。
目的に合わせて選ぶ、
自社に合うCAEソフト
CAEソフト選定の鍵はスペックではなく、開発のどの場面で何を達成したいかです。上流での当たり付けか、詳細設計での精度確保か。フェーズごとの「やりたい検証」にフィットするCAEソフトを整理しました。
開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。
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※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)