CAEソフト導入支援ガイド【CAExplorer】 

CAEモデルを簡略化するには?

CAE解析を行う際、設計用の3DCADデータをそのまま使ってエラーに悩まされていませんか。計算時間の増大を防ぐために必須となるのが「モデルの簡略化(簡素化)」です。計算時間を短縮し、エラーを防ぐための具体的な手法と注意点を紐解きます。

なぜCAE解析で3Dモデルの簡略化が必要なのか

3DCADで作成された詳細な設計モデルをそのままCAEに読み込むと、数々の問題が生じます。「メッシュを切る」段階でサイズにばらつきが出てしまい、膨大な計算時間を必要とするのです。また、アセンブリモデルでは複雑な構造が原因で、解析途中にエラーが表示されるリスクが格段に高まります。

モデルを簡略化する具体的な方法・テクニック

解析をスムーズに進めるためには、どのような処理が必要なのでしょうか。CAE解析を効率化するための具体的なモデル簡略化の手法を見ていきます。

細かい形状(小さな穴・コーナーR・面取り・ネジ部)の除外

解析の目的に影響を与えない範囲で、「小さな穴」「コーナーR(丸み)」「面取り」「刻印マーク」などの細かい形状を除外します。ボルトのネジ部などの詳細な形状も、メッシュが細かくなりすぎる原因となるため省略することで、計算時間の大幅な短縮が見込めます。

不要な部品の除外とパートモデルへの統合

解析対象ではない周りの部品を除外し、必要な箇所だけ残すことで工数が削減できます。さらに、材料特性が同じでボルトや溶接で強く固定されている箇所は、1つのパートモデルとして統合(くっついた状態に)しましょう。境界条件の入力手間が省け、計算時間を短縮することが可能になります。

対称性の利用とエラー回避の形状調整

モデル形状とかかる荷重が対称である場合、1/2や1/4のカットモデルにすることで解析精度を保ちながら計算時間を大幅に削減できます。水圧が均等にかかるバルブなどに有効なテクニックです。また、メッシュエラーを防ぐために、部品同士の干渉部分や不自然な角のアールをモデリング段階で修正しておくことも重要と言えます。

モデル簡略化における注意点と「サンブナンの原理」

単純に形状を削るだけの「漠然とした簡素化」は、解析の目的を見失う危険性があります。理論に基づいた正しいアプローチを理解しておきましょう。

評価目的に応じて「残す形状」を見極める

フレーム全体へのリブの影響を見たいのに極限まで簡略化してしまうと、正しい結果が得られません。応力解析の場合、応力が集中する「凹部のコーナーR」などを削ってしまうと解が歪んでしまいます。目的と応力が集中しそうな箇所を予測して、正しく忠実に表現する形状を残す必要があるというわけです。

サンブナンの原理を活用した除外判断

評価と関係のない形状を除外する際の根拠として「サンブナンの原理」が利用できます。これは「荷重点から十分に遠く離れた領域では、局所的な形状の違いが生じる応力に影響を与えない」という原理です。これを利用することで、応力集中部から離れた不要な形状を安全に除外できると判断できます。

目的に合わせた適切な簡略化で解析効率を向上

CAE解析では、計算時間の短縮とエラー回避のために3Dモデルの簡略化が欠かせません。漠然と削るのではなく、解析の目的や応力集中部を考慮し、「残す部分と削る部分」を正しく見極めてトライ&エラーの効率を高めていきましょう。

目的別
CAEソフトおすすめ3選

開発のどの場面で何を達成したいかに合わせて、CAEソフトを整理しました。設計時の工数削減、開発初期の方向付け、信頼性確保。フェーズごとのやりたい検証にフィットするソフト選びにお役立てください。

開発上流での高速な
複数案検証・当たり付け
シムスケール
SimScale
画像引用元:SimScale公式HP
(https://simscale.kke.co.jp/)
分散・並列実行で解析
を高速化

構造・流体・伝熱・電磁界解析をブラウザ上で完結。192コアが利用可能かつ、数百以上の並列計算により、高速で複数案の同時検証が可能。

上流での即時検証と連携
が可能なクラウド設計

非専任でも扱いやすいUIと、ブラウザ上で、⾮専任者でも即座に上流検証へ着手できる設計。設定や結果は、安全なワークスペース内で共有でき、解析専任者とのレビューもスムーズに連携。判断のスピードを損なわない運用を実現する。

AIとサロゲートモデル
構築による効率化

AIが解析設定作業をサポートし、非専任者でも迷わずに解析フローを進められる。また、サロゲートモデルを構築することも可能であり、設計〜評価プロセスの効率化を実現する。

CAD・CAM一体化による
手戻り抑制・内製効率化
オートデスク フュージョン
Autodesk Fusion
画像引用元:Autodesk Fusion 公式HP
(https://www.autodesk.com/jp/products/fusion-360/overview)
開発ツールの統合で
手戻りを防ぐ

CAD/CAM/CAE/PCB/PDMなど、複数の開発ツールをひとつに統合。モデリングから製造準備までの流れが一貫され、データ変換やツール間の切り替えによる手戻りを防ぐ。

設計段階で性能と信頼性
を検証

構造解析や熱解析、モーション解析などのCAE機能を標準搭載。モデリングしたデータをそのまま使って解析でき、設計段階で強度・熱・動作をすばやく検証できる。

設計業務を効率化するAI搭載

ジェネレーティブデザインや図面自動生成などのAI支援機能を搭載。繰り返し作業を自動化し、形状提案や図面出力を短時間にし、スピーディーに回せる内製開発を支援。

詳細設計〜最終判断のための
高精度再現・相関確保
アンシス
Ansys
画像引用元:Ansys公式HP
(https://www.ansys.com/ja-jp)
信頼性の高い解析精度と
品質保証体制に対応

ISO 9001認証に基づく品質管理体制のもと、原子力・航空・自動車などの厳格な規制環境にも対応。社内検証、法規認証、顧客提出に耐える解析精度と信頼性を担保。※1

高度なマルチフィジックス解析に対応

構造・流体・熱・電磁場・音響など、複数の物理現象を連成解析できるマルチフィジックスCAE。非線形や疲労、衝突、安全試験相関など高精度が求められる現象を再現し、実験データに基づいた設計検証を支援。

高負荷解析を支える
HPCとクラウド環境

Ansys Cloudにより、大規模・非線形解析をクラウド上で高速実行。オンプレミス環境との併用が可能で、計算リソースの柔軟な拡張が行える。

※1参照元:Ansys公式サイト(https://www.ansys.com/ja-jp/company-information/quality-assurance)